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日々何となく考えてる事を置いておくところ

百年と一日

柴崎友香 百年と一日 を読み終えた。

 

スタバで読んでいた。途中で少し居眠りした。つまらないからではなく、仕事疲れで自分の電池が切れかかっていたからだ。

 

とても短いお話が続いていく。登場人物を把握しようとする前に読み終えてしまう。ゆっくり走る鈍行の列車に乗っているみたいだ。自分は終点まで乗っていくのだが、各駅に止まる度に開くドアからホームの様子が垣間見えている。

 

今日は神経がささくれだっていた。仕事の疲れもあるし、他の事で気力を奪われているのもある。この本を読んでいるうちに気分がなだらかになってきた。大きい手で頭をゆっくり撫でられている様な、ぼさぼさの髪の毛にそっと櫛を入れて、すいてもらっている様な、読み終えた時は店員さんと笑顔で会話できるほどには復活していた。

 

それぞれの物語を読んでいるのだが、その奥にもっと掴みどころのない流れがあるような気がしていた。その流れに逆らわずにいると読み終えた時に気持ちがすっきりとしている。そんな不思議な本だった。

 

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