曖昧
終日、外出していた。フィルムカメラとデジタルカメラを両方、持って行った。今まで、撮影スポットとは見做していなかった場所に行ったが、もう少し撮ってみたいと思わせるところだったので行ってみて良かった。
好天候で、そこそこの人出はあった。人の多さ故のうんざり感も多少、感じた。これも数カ月ぶりのことだ。青空の下、シャッターを切りながら散策した。広い公園で人々がスポーツを楽しむ姿を眺め、コーヒーショップでブレンドを飲んでマグカップを買った。もう少し散財するかと思っていたが、そうでも無かった。
帰りの電車に乗る前に、よく足を運んでいたセレクトショップに行ってみた。品物を暫く眺めていて、ミニ6穴のシステム手帳に惹かれたが思い留まった。
最後の最後にいつものスタバに行き、いつものラテを頼んでノートを広げた。荷物を軽くしたいというのは頭の隅にずっとあって、何を減らせるか考えていた。
暫くして、方眼のノートにグリッドをいくつか描いた。次の展示をどうするかを自分と相談していた。まだ、曖昧なところがあるので、多少ははっきりとさせておきたかった。
曖昧。
朝も曖昧という言葉を使ったが、ほぼ同時に違うところから同じ言葉を聞いた。本当に偶然だったので、やや不思議な気持ちでディスプレイを眺めていた。そして、デスクトップパソコンをシャットダウンし、カメラをリュックに入れて外に出たのだった。